相続の場面では、様々な手続があり、それぞれの手続に専門家がいます。
司法書士も、その専門家の1人です。
司法書士は、登記のスペシャリストです。
相続財産の中に不動産があった場合には、相続登記が必要になります。
司法書士は、この相続登記を専門に取り扱っています。
今回は、司法書士にどんなことを依頼できるかについて、詳しく解説していきます。
目次
- 1 司法書士に依頼する内容は主に不動産などの名義変更や相続登記
- 2 司法書士は弁護士に比べて少し費用がリーズナブルな可能性が高い
- 3 他の専門家(士業や銀行)への依頼のとの違いとは?
- 4 そもそも司法書士ってどういう仕事?!
- 5 どんな司法書士に相談したらいいの?!
- 6 司法書士に不動産登記、遺言書作成などを依頼する時のポイントとは?!
- 7 そもそも相続手続き自体の大枠の流れとは?!
- 7.1 手続き①相続の開始は死亡届の提出をもってはじまる
- 7.2 手続き②葬儀を行う
- 7.3 手続き③財産調査を行う
- 7.4 手続き④遺言書を確認する
- 7.5 手続き⑤金融機関に亡くなったことを連絡する
- 7.6 手続き⑥生命保険会社に連絡して保険金を受け取る
- 7.7 手続き⑦健康保険、遺族年金の手続きを行う
- 7.8 手続き⑧遺産分割協議を行う
- 7.9 手続き⑨相続人調査を行う
- 7.10 手続き⑩所得税、消費税の準確定申告を行う
- 7.11 手続き⑪遺産分割協議書の作成
- 7.12 手続き⑫名義書き換えや、預貯金の払い戻しの手続きを進める
- 7.13 手続き⑬不動産登記を進める
- 7.14 手続き⑭相続税申告と納付を行う
- 7.15 遺留分侵害額請求を行うこともできる
- 8 まとめ
司法書士に依頼する内容は主に不動産などの名義変更や相続登記
相続登記などの手続きの代行
司法書士は、どのような仕事をするのでしょうか。
遺産の中に被相続人名義の土地(不動産)がある場合、相続登記をしなければなりません。
司法書士は、不動産に関する相続登記手続をすることができます。
また、不動産を売買した場合、所有権移転登記等をすることができます。
抵当権抹消登記
あなたが、土地建物を購入する際に金融機関から借り入れをします。
この借入金で土地建物を購入した後、当該土地建物に金融機関を抵当権者とする抵当権を設定することが通常です。
あなたは、毎月決められた金額を返済します。
そして、この借入金を全額返済した場合、抵当権を抹消することができますので、この抹消登記手続をしなければなりません。
司法書士は、このような抵当権の抹消登記手続を代行することができます。
遺言書作成、保管代行
司法書士は、登記手続だけではなく、遺言書の作成も取り扱っています。
司法書士は、被相続人の意思を尊重して、被相続人の意思に沿う遺言書を作成することができます。
司法書士は、遺言書の保管をすることもあります。被相続人が自宅に保管することもありますが、被相続人が死亡した後、遺言書が見つからないまま、相続人らが遺産分割協議をすることもありえます。
ちなみに、2020年7月より、法務局にて遺言書を保管する制度が開始しました。
ですので、遺言書を常務局に保管することもでき、今後はこの制度が広く利用されることが予想されます。
遺言書の検認申立書の作成
自筆証書遺言及び秘密証書遺言では、検認手続を経なければなりません(民法1004条1項)。
検認とは、遺言の方式に関する一切の事項を調査して遺言書の内容を確定して、遺言書の現状を明らかにするものです。
遺言書の検認は、遺言書とともに検認申立書を提出しなければなりません。
司法書士は、この検認申立書を作成することができます。
遺言執行者の選任申立書の作成、遺言の執行
遺言書で遺言執行者を選任することができます。
しかし、遺言執行者がいないとき、又はなくなったときは、家庭裁判所の請求により遺言執行者を選任することができます(民法1010条)。
司法書士は、この裁判所に請求する際の申立書を作成することができます。
例えば、遺言により特定の相続人に不動産を遺贈する旨定められているときは相続登記を、遺言認知が定められているときは、戸籍の届出をする必要があります。
遺産分割協議書の作成代行
司法書士は、遺産分割協議書の作成も行っています。
この遺産分割協議書で、相続登記等を行います。
不動産の相続登記をする際、特に数時相続の際、遺産分割協議書の記載を誤ると、相続登記をできません。
ですので、複雑な相続における相続登記では、司法書士に遺産分割協議書を作成するが良いでしょう。
相続放棄の手続き
相続の放棄をする相続人は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません(民法915条1項)。
司法書士は、相続放棄をするための申述書を作成することができます。
相続人の調査
遺産分割協議をするためには、相続人を確定しなければなりません。
相続人の確定は、戸籍(除籍、原戸籍)謄本で確認する方法で行います。
司法書士は、この相続手続に必要な戸籍(除籍、原戸籍)謄本を収集することができます。
家庭裁判所への調停や審判
遺言書がない場合、相続人で遺産分割協議を行います。
この遺産分割協議がまとまらなければ、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。
司法書士は、遺産分割調停の申立書を作成することができます。
なお、遺産分割調停を専門家に行ってほしいのであれば、弁護士に依頼をしましょう。
弁護士は、遺産分割調停に相続人に代わって出席することも、相続人とともに参加することもできます。
成年後見人、相続財産管理人等の選任申立て
相続人の中には、認知症の人がいることがあります。
認知症の相続人は、意思能力や行為能力に問題がある者が存在する場合があります。
このような場合、成年後見の申立てが必要になります。
司法書士は、この申立書を作成することができます。
遺留分放棄の許可申立書の作成
相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生じます(民法1049条1項)。
ですので、遺留分の放棄をする場合、家庭裁判所に申立書を提出する必要があります。
司法書士は、この申立書を作成することができます。
相続人の廃除申立書の作成
被相続人は、遺留分を有する推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができます(民法892条)。
ですので、被相続人が、生前に推定相続人を廃除する場合、家庭裁判所に申し立てをしなければなりません。
司法書士は、この申立書を作成することができます。
特別縁故者に対する相続財産分与の申立書作成
被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、家庭裁判所は、これらの者に、相続財産の全部または一部を与えることができます(民法958条の3)。
ですので、いわゆる特別縁故者は、相続財産の全部又は一部の分与を受ける場合、家庭裁判所に申し立てしなければなりません。
司法書士は、この申立書を作成することができます。
法定相続情報一覧図、相続関係説明図などの作成代行
法定相続情報一覧図は、法務局が被相続人と相続人の関係を法務局の登記官が証明した書類になります。
これは、戸籍(除籍、原戸籍)謄本、相続関係図を作成のうえ、法務局に提出します。
司法書士は、この法定相続情報一覧図の作成を行うことができます。
相続関係図とは、被相続人と相続人の関係を記載した書面です。
供託金の還付請求の代行
供託値は、あなたが、金銭、有価証券などを供託所に提出して、管理を委ね、最終的に供託所がその財産をある人に取得させることによって、一定の法律上の目的を達成させようとするものです。
例えば、債権者が、譲受人A、譲受人Bに同じ債権を譲渡した場合に、債務者は、譲受人あ又は譲受人Bのどちらに弁済すれば良いのか分かりません。このような場合、供託所に供託することにより、債務者は、供託することで、債務の弁済を達成させます。
司法書士は、供託金の還付を受ける手続を担当することができます。
司法書士は弁護士に比べて少し費用がリーズナブルな可能性が高い
司法書士は、弁護士と比べて報酬がリーズナブルな場合が多いです。
これは、弁護士が通常紛争性のある案件で、相続人の代理人となって活動することが多いからです。
ですが、相続人間で争いがなく、単に書面の作成を頼みたいというケーズであれば、司法書士がお勧めです。
そもそも司法書士に依頼するかどうか必要性は検討すべき
司法書士にどのような場合に依頼するべきなのでしょうか。
司法書士は、登記の専門家なので、登記が関与するものは司法書士に依頼しましょう。
紛争性のない事件で、戸籍(除籍、原戸籍)謄本の収集を専門家に任せたいとき、費用を安く抑えたいときも、まず司法書士に依頼しましょう。
他の専門家(士業や銀行)への依頼のとの違いとは?
相続の場面では、司法書士以外にも、様々な専門家がいます。
司法書士は、その他の専門家とはどう違うのでしょうか。
弁護士ができる相続関連手続きの範囲とは?!
弁護士ができる相続関連の手続は、次のとおりです。
・戸籍(除籍、原戸籍)謄本の収集
・遺産分割協議、調停、審判に相続人の代理人として参加すること
・遺言書、遺産分割協議書の作成
・相続登記
行政書士ができる相続関連手続きの範囲とは?!
行政書士ができる相続関連の手続きは、主に以下のとおりです。
・戸籍(除籍、原戸籍)謄本の収集
・遺言書、遺産分割協議書の作成
税理士ができる相続関連手続きの範囲とは?!
・税理士ができる相続関連の手続きは、相続税の申告・納税です。
銀行ができる相続関連手続きの範囲とは?!
銀行は、相続代行サービスとして、戸籍(除籍、原戸籍)謄本の収集、相続関係図や遺産目録の作成、預貯金の解約などをすることができます。
銀行が行うサービスですので、信頼性があります。
もっとも、銀行に依頼すると、他の専門家よりも報酬が高額になっていることが多いです。
▼専門家別業務の範囲まとめ表
専門家 | 業務内容 |
司法書士 | ・戸籍(除籍、原戸籍)謄本の収集
・遺言書、遺産分割協議書の作成 ・相続登記 |
弁護士 | ・戸籍(除籍、原戸籍)謄本の収集
・遺産分割協議、調停、審判に代理人として参加すること ・遺言書、遺産分割協議書の作成 ・相続登記 |
税理士 | ・相続税の申告・納税 |
行政書士 | ・戸籍(除籍、原戸籍)謄本の収集
・遺言書、遺産分割協議書の作成 |
そもそも司法書士ってどういう仕事?!
司法書士とは、どのような仕事・業務をするのか解説します。
司法書士は法律の専門家
司法書士は、法律の専門家です。相続手続や不動産実務に精通しています。
司法書士は不動産実務を把握している
司法書士は、登記手続に精通しています。
登記は、例えば、不動産の売買の際の所有権移転登記、相続手続の際の相続登記、借入金を返済した場合の抵当権抹消登記です。
司法書士は、相続に係る不動産実務にも精通しています。
遺産分割協議書を作成しても、その記載内容によっては、登記できないこともあります。
ですので、不動産に係る登記については、司法書士に依頼しましょう。
どんな司法書士に相談したらいいの?!
どのような司法書士に相談するのが良いのか解説します。
相続実績が豊富な司法書士
司法書士の業務は、登記手続、裁判所の書類作成、成年後見人・不在者財産管理人等、いろいろあります。
ですので、相続手続を取り扱っている司法書士に依頼しましょう。
最後の手続きまで意識した解決方法を提案できる司法書士
相続手続は、戸籍(除籍、原戸籍)謄本の収集、預貯金の解約、株式の売却、不動産の相続登記等があります。
司法書士は、相続人に対し、これらの手続を説明したうえで、相続人全員が納得できる解決を提案できる方に依頼しましょう。
本当に相続に強い他の専門家とのネットワークをもっている司法書士
相続手続を進めていく中で、相続税の申告・納税が必要になること、相続人間の紛争が発生することがあります。
このような業務は、司法書士が遂行することができません。
このような場合、司法書士に信頼できる税理士、弁護士がいると円滑に相続手続を遂行することができます。
ですので、税理士、弁護士とのネットワークを持っている司法書士に依頼するのが良いでしょう。
司法書士に不動産登記、遺言書作成などを依頼する時のポイントとは?!
司法書士に不動産登記、遺言書を作成するとどのようなメリットがあるか、費用はどれくらいなのか解説します。
司法書士に依頼するメリット①書類、手続きを正確に行ってくれること
遺言書は、遺言書に記載された内容を実現させることができます。
これは、法定相続人以外の第三者にも財産的利益を与えることができます。
ですので、遺言者の意思通りに遺言書を作成することが非常に重要です。
司法書士は、遺言書の作成にも精通していますので、正確な書類を作成してもらえます。
不動産相続登記でも注意しなければならないことがあります。
相続登記は、遺産分割協議書を作成して、行うことがあります。
この遺産分割協議書の記載が不適切な場合、相続登記ができません。
ですので、司法書士に正確な遺産分割協議書を作成してもらいましょう。
司法書士に依頼するメリット①書類を作る、手続きをする手間が省けること
司法書士に依頼をすれば、相続人に代わって、戸籍(除籍、原戸籍)謄本、固定資産税評価証明書、全部事項証明書等を取得してもらえます。
また、司法書士は、相続人に代わって、遺産分割協議書を作成すること、預貯金の解約、株式の売却、不動産の相続登記などを代わりに行います。
司法書士に依頼するときにかかる費用の相場とは?!
司法書士に依頼するときの費用は、司法書士によって様々ですし、登記しようとする不動産の固定資産税評価額にもよります。
もっとも、定額の司法書士費用の事務所の場合、相続登記の相場は、約10万円から12万円です。
そもそも相続手続き自体の大枠の流れとは?!
被相続人が死亡して、相続が発生した場合、どのような手続になるのか解説します。
手続き①相続の開始は死亡届の提出をもってはじまる
被相続人が死亡したら、役所に死亡届を提出しなければなりません(戸籍法86条、87条)。
死亡届の届出人、提出先、書き方とは
死亡届の届出人は、親族、同居者、家主、地主又は家屋若しくは土地の管理人等です(戸籍法87条)。
死亡届の提出先は、被相続人の死亡地、本籍地、届出人の所在地の役所になります。
死亡届は、専用の書式がありますので、書式に基づいて作成します。
手続き②葬儀を行う
相続人は、被相続人の葬儀を執り行います。
手続き③財産調査を行う
相続人は、遺産分割協議をするうえで、被相続人の財産調査を行います。
相続財産にはプラスの財産とマイナスの財産がある
相続財産には、プラスの財産とマイナスの財産があります。
プラスの財産は、不動産、現金、預貯金、株式、有価証券などがあります。
マイナスの財産は、住宅ローン、借入金等の債務です。被相続人が債権者に弁済しなければならないものです。
相続財産に含まれない財産に注意
相続財産に含まれない代表的な財産として、生命保険金があります。
生命保険は、保険契約書が自己を被保険者として、特定の者を保険金の受取人に指定した場合、この指定された者は、自己の固有の権利として保険金請求権を取得します。
ですので、遺産分割の対象になりません。
その他に、被相続人の死亡後の賃料債権なども、相続財産ではないので、遺産分割の対象になりません。
祭祀に関する財産も、相続財産ではなく、遺産分割の対象になりません。
相続財産の調査方法とは?!
被相続人の財産は、同居している者、身の回りの世話をしている者でなければ分からないことが多いです。
このような場合、被相続人が居住していた自宅の中、預貯金通帳、郵便物等から調査することができます。
また、不動産については、役所にて名寄帳を取り付ける方法もあります。
手続き④遺言書を確認する
遺言書がある場合、遺言書に記載された内容を実現させることができます。
遺産分割協議議を経ることなく、遺産を分けることになります。
ですので、遺言書の有無は重要であり、相続人は、遺言書を確認しなければなりません。
手続き⑤金融機関に亡くなったことを連絡する
被相続人が死亡した場合、金融機関に被相続人が死亡したことを連絡します。
これにより、相続人の中の誰かが、勝手に預貯金を引き出すことを防止することができます。
また、今後、預貯金の解約を進めることができるようになります。
手続き⑥生命保険会社に連絡して保険金を受け取る
被相続人が生命保険契約を締結している場合、生命保険金の取得手続をしましょう。
被相続人が契約していた保険会社に連絡して、被相続人の死亡を報告するとともに、必要書類の送付してもらえます。
ですので、保険会社所定の書式に必要事項を記入します。
手続き⑦健康保険、遺族年金の手続きを行う
被相続人が健康保険に加入していた場合、埋葬料、葬祭費や遺族年金を受け取ることができる場合があります。
手続き⑧遺産分割協議を行う
遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行わなければなりません。
手続き⑨相続人調査を行う
遺産分割協議は相続人全員で行わなければなりません。
そのために、戸籍(除籍、原戸籍)謄本を収集します。
これらの資料を収集することで、被相続人が婚姻したか否か、離婚したか否か、子どもがいるか否か、直系尊属が存命か否か、兄弟姉妹がいるか否かを確認することができます。
遺産分割協議がまとまらない場合はどうする?
遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を進めることになります。
しかし、相続人間で、誰が不動産を取得するか否か、不動産の時価がいくらか等で紛争になることがあり、話し合いで解決することができない場合があります。
このような場合、裁判所に対して、遺産分割調停、審判を申し立てることができます。
限定承認、相続放棄という手段もある
被相続人に借金があり、相続をしたくないということがあります。
このような場合、相続放棄を選択すべきです。
相続放棄とは、相続人が相続開始による包括承継の効果を全面的に拒否する意思表示であり、家庭裁判所に対して申し立てることによって行うものをいいます。
相続放棄することによって、相続放棄をした相続人は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます。
ですので、相続放棄をした相続人は、その借金を支払う義務を負いません。
被相続人に借金がなければ単純相続、借金があれば相続放棄を選択すべきです。
しかしながら、相続人に借金があるか否か分からない場合、単純相続または相続放棄のどちらを選択するか判断することができません。
このような場合、限定承認という方法を選択することができます。
限定承認とは、相続した財産の範囲内で被相続人の借金を支払い。余りがあれば相続できるという制度です。
熟慮期間に注意
相続放棄や限定承認は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません。
この3か月間のことを、熟慮期間といいます。
しかし、相続財産の調査が進まないまま3か月が経過することもあります。
このような場合、3か月を経過する前に、相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立てをすることにより、熟慮期間を延長することができます。
手続き⑩所得税、消費税の準確定申告を行う
準確定申告とは、被相続人の1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算のうえ納税することです。
準確定申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告及び納税をしなければなりません。
準確定申告の期限を過ぎた場合、納税額に対し延滞税が加算されます。
また、申告をしなかったという事で、無申告加算税がかかります。
手続き⑪遺産分割協議書の作成
遺産分割協議が成立した場合、遺産分割協議書を作成します。
この書類を作成することにより、誰がどの遺産を取得するか、現金であればいくら取得するのかを明確にすることができます。
遺産分割協議書の作成方法とは?!
遺産分割協議書は、どの相続人が、どの相続財産を取得するのかを明確にします。
また、相続人全員の署名・押印が必要になります。
この押印は、実印で行う必要があります。
手続き⑫名義書き換えや、預貯金の払い戻しの手続きを進める
遺言書がある場合又は遺産分割協議書が完成した場合、これらの書類を用いて、株式の名義書き換え、預貯金の払い戻しの手続を進めることができます。
手続き⑬不動産登記を進める
遺言書がある阿合又は遺産分割協議書が完成した場合、不動産の相続登記の手続きを進めることができます。
遺産分割協議書で相続登記をする場合、数次相続が絡むと、遺産分割協議書の記載次第では、相続登記ができないこともあります。
ですので、登記できるように遺産分割協議書を作成する必要があります。
手続き⑭相続税申告と納付を行う
相続税の申告及び納税は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内にしなければなりません。
遺留分侵害額請求を行うこともできる
兄弟姉妹を除く推定相続人には、遺留分が認められています。
遺留分とは、一定の範囲の相続人に対して、一定割合の財産の相続権を保障する制度です。
遺言書がある場合、遺言書に記載された内容を実現させることができます。
これは、法定相続分ではなく、遺言者の意思通りに遺産分割をすることができます。
ですので、遺言書によって遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額請求権を行使することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。相続において司法書士に依頼すべきことはすばり登記に関することです。もし登記関係でお困りであれば司法書士に相談してみましょう。